デザイナーズハッカソンで改めてデザイナーとして感じたこと

Author: 秋葉秀樹 | Comments(0) | Trackback(0)
東広島にあるSHARPさんの事業所、というか自然に囲まれたビルの一室で行われたAndroidアプリ開発イベント(ハッカソン)に2日間かけて行って参りました。

ハッカソンとは開発をされているプログラマーさんが、限られた時間の中でアイデアを出し、アプリを作るイベントなんですが、デザイナーには全く疎遠なイメージがあります。
(個々がどう思うかはさておき、一般的にそういった意識が多いのは事実です)

しかし今回はSHARPさんや運営に携わっているブリリアントサービスさんのアイデアで、デザイナーもハッカソンに入ってもらい、一緒にアプリを開発してみよう、という試みということで参加させていただきました。

当日朝早く新幹線に乗って東広島駅へ、そこからみんなでタクシーに乗ってSHARPさんの施設に向かったわけですが、空気がうまい。
ホント、いいところでした。

今回は、SHARPさんにはAndroid2011年夏モデル端末も用意していただき、5つのチームにそれぞれ色んな実機が貸し出されました。

チームで朝11時30分からアイデア出しを行い、どんなアプリを作るか話し合いが始まりました。
ただここで重要だったな、と思うのが、「メインとなるテーマを先に決めてしまおう」というところ。
闇雲にどんなものを作るか考えると、メンバー4人、個々の考えも違うのでなかなかまとまりにくいパターンに陥るケースがよくあります。

今回はまず、「夏」というテーマに限定。

ここで色々出てきます。
海、山、キャンプ、水着、クラゲ、スイカ...

で、決まったのは、そうめん流し。
アプリのアイコンはこれ。

icon.png

(流しそうめんという人もいる、ちなみにこちら参照 http://www.freeml.com/wefree/say/noodles/

さてさて、ここで面白い実験をしてそうめん流しアプリを作ろうということで、

・複数台の端末を縦に並べる。
・1番目のデバイスをタップしたら、そうめんが流される。
・2番目のデバイスに1番目のそうめんが流れてくる。
・3番目のデバイスに2番目で取りそこねたそうめんが流れてくる。
・3番目で取りそこねたら4番目のデバイスに...

といったように、流れてきたそうめんを取る(箸ですくう)ゲームなんですが、
何台も実機をつなげられる所がポイントで、通信手段はBluetoothを使ったものです。

スクリーンショット(2011-07-25 13.19.27).png

プログラムの仕組みとしては最初の「親」となる実機の次の「子」が2番目になり、3番目の実機から見れば、2番目の実機が「親」となる認識方法で数珠つなぎが構成されます。

そうして、あるデバイスが「最後の子(つまり一番最後)」であると認識したら、画面の下に「受けザル」を表示して、最後でなかったら、そうめんを流す竹を上から下まで表示させるというものです。

いきなりですが完成はこちら、動画は英吉さん(@)撮影。


下記の写真は同じメンバー「AndroidSDK開発のレシピ」の著者の@gabuさん提供です。
【6台つなげてデモした写真】
【ちょっと拡大】

と、思ったら、gabuさんのブログ、その名も「gabuchanの日記」にてそのレポが紹介されています。

そんなわけで、USTREAMでもその様子が公開されています、
下記URLは、制作発表のものです。
(僕の発表は30:30くらいからです)


僕が主にチームの発表をスピーチさせていただきました。
普段はたまにソースコードも書きますが、「今回は一切ソースコードは書かず、デザインに専念します」と宣言した経緯もあって、チーム内、開発者3名、そしてデザイナーは僕1人という構成でした。

チーム名が「デラリアル」と言いまして、「デラ」は名古屋弁で「超」とか「すごい」という意味です、つまり「超リアル」。

まあ、リアルにそうめんが流れたらいいな、という想い、、、だったんでしょうね。

今回はAndroidのキャラクタ、ドロイドくんを、デラリアルにしました。
スタートアップの画面で活き活きとしたイメージの実写版(?)ドロイドくんが一生懸命そうめんをすくっている印象を与えたかったので。
(gabuさんのブログに画像が載ってます。)
そんな楽しくワクワクさせるデザインというのは、とても大事です。

開発にとってデザイナーの必要性

アプリはデザインによって売れ行きが変わるということは、色々とアプリを作られた方から聞きます。
僕の周りにはWebデザイナーというデザイナー職の方が多いのですが、どうもこういったデザインの目的には着目されにくいな、と感じています。

人間中心としたWebサイトの設計、ユーザエクスペリエンスなど、セミナーでは色々取り上げられます。
それはとても大事なのですが、アプリの開発という分野のみならず、デザインで人を「おおっ」と驚かせることが必要な場面だってあるわけだし、そこにはアナログな感性(アナログという言葉は正確ではないにせよ、そこは汲みとってください)が要求されるものだから、自分の感覚をとんがらせておかないとダメだと思うのです。

そういった表現で人の心を動かせるデザインが売上につながるのであれば、そこにその場面においては全力を注げるデザイナーでありたい、だってそれで僕はお金をもらって仕事してるわけだし。

あくまでデザインは人に評価される、機械と仕事をしてるわけじゃない

自分で作ったスタートアップの画面
アプリのスタートアップの画面は、購入を考えているユーザへの大きなアピール(勝負)の場。
ドロイドくんがそうめんを一生懸命つかんで食べてやるぜ!というサマを演出したく、デザインにとりかかりました。
概ねデザインは好評をいただきました。
今回、実はこだわった目的は「リアル」ではなく、ただひとつ、それは、、、

「これを見た人が有料でも買いたくなるアイコンとスタートアップのデザイン」

今回はこれにつきます。
つまり、デザインに理論づける人はいるし、それは分かるけどもっと大事なことは、自分が客観的目線で見て、そのデザインで人を引きつけられる感性を養って、表現するチカラがあるか?ということ。

その判断力と表現力は理論では片付けられない。
なぜなら今までの経験で案件ごと内容は全く違う、そのプロセス数は無限大でした。
これは20年間デザインという仕事をやって、ようやく今になってなんとなくわかりつつあります。

もちろん、自分に自信があって言ってるわけではありません。
本当に売れているアプリやインターフェイスのデザインを見ると、自分のは、まだまだ作っては疑い、作っては疑い、の繰り返しだと思ってやみません。
自分のチカラというのは、いつになっても色んな意味で完成しません。
常にまだまだな状態だな、ということを改めて気づきました。

さて、まとめ。

ハッカソンですが、名前の印象からどうしても僕らデザイナーさんは敬遠しがちです。
そういう意味では大変意義のあるイベントだったと思います。
開発者の方とのやり取りが学べるいい機会だったわけですが、いざ始まると時間が足りず、自分の作業だけで精一杯なことがあります。

これは「一日でマスターできる◯◯講座」とかあるけど、僕から言わせたら「一日でマスターできる講座なんてあるわけがない!」というのと一緒。
デザインは一日にしてならず、なんです。
デザイナーとデベロッパーのフローをどうやって理解するか、これは何回でも積み重ね、可能な限り参加して経験していくことで、徐々に「こういったケースだとこうしよう」がわかってくるもの。

例えばアイデアに対し、自分の出せる引き出しの少なさが原因じゃなかったか?
デザインのトライアンドエラーを繰り返す際、仕方がない(やってみないと本当にわからない)ケースと、事前に察知して余計なトライは回避できるケースもあると考えています。
両方ともとっさの判断が要求されるとき、人は経験によって乗り越えられる場合と無駄足を踏んでしまう場合があります。

僕はこの仕事を20年やってきた今でもデザイナーとしてのエラーを経験して、少しでも効率の良いワークフローを実現できるようになりたいと考えています。
(効率、というのは、よくあるツールに頼るとかそんなのではありません、もっと自分の脳を鍛えるという意味が近いです。)

色々と今の自分の実力を再認識できた2日間でした、
SHARPの方、Androidの会の方、参加されたみなさん、勉強になりました。
ありがとうございました!!


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